やりなおしちゃってもいいんですか？
マンションの入口付近から女の人の大きな声がした。

浩二はその声に反応するように振り返る。

つられるように私も入口の方に目を向ける。

すると、ロングヘアーの可愛い女の子が立っていた。

「彩？」

浩二の驚く声に女の子は嬉しそうに駆け寄って浩二に抱きついた。

「お、おい。どうした？」

浩二はかなり困惑しているがそれ以上に私の目が点というか

見た目、私達より随分若そうだ。

私はただ呆然としながら2人を見ることしか出来なかった。

すると女の子は嬉しそうに

「こうちゃんに会いたく、来ちゃった」

とはにかんだ笑顔を向ける。

「おい。来ちゃったって・・・ってかなんでここがわかった？」

「おばさんに聞いたんだ～」

いたずらっ子の様にペロッと舌を出しながら嬉しそうに浩二を見る。

「はあ？おいおい勘弁してくれよ～」

浩二は露骨に迷惑そうな顔を向ける。

「え～そんな顔しないでよ～折角北海道から会いに来たのに～」

女の子は口を尖らせながら上目遣いで浩二を見ている。

え？こういう場合私ってどうしたらいいの？

二人の様子を見ていたら今自分はここにいるのは良くないのでは？

緒心地の悪さを感じた私は

「わ、私･･･帰るね」と浩二に伝える。

だが浩二は私の手を掴み「メグも一緒にいてくれ」とすがるような目で私を見る。

ちらりと女の子をみると敵対心むき出しの表情を私に向けている。

やっぱり･･･この子、浩二のことが好きなんだ。

だったら余計に私はいちゃいけないような気がした。

だけど浩二は帰るなと言うし･･･

だからといってマンションの前って言うのも･･･

「とりあえず立ち話もなんだから・・・」

トランクから買った物を取り出すと３人で浩二の部屋に入った。
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