やりなおしちゃってもいいんですか？

１２畳の１ルームにはいると女の子は私の存在そのものを無視するかのように

はしゃぎながら浩二のベッドに腰掛けた

「彩、お前何しに来たの？」

腕組しながら険しい表情を浮かべる浩二に対し彩という女の子は

「だからさっきもいったけど～こうちゃんに会いにきたの」

屈託のない笑顔を向ける。

だが浩二は彩ちゃんの言葉に納得していない様で大きな溜息をつきながら

肩を落とす。

彩ちゃんは自分が招かれざる客だと感じとったのかベッドから立ち上げると

浩二の前に立った。

「こうちゃんの事が好きだから会いにきたの！」

と宣言するようにいうと再びベッドに腰掛ける。


最近の若い子は大胆だ。

いや、私が消極的なだけなのかもしれない。

浩二が好きという女の子は私達の3つ下の22歳で名は後藤彩という。

浩二とは家が隣同士で家族ぐるみの付き合いをしているらしく、

ここの住所は浩二に手紙を書きたいから住所を教えて欲しいと

浩二のお母さんに聞いたのだそうだ。