やりなおしちゃってもいいんですか？
『は？』

浩二の呆れかえった言い方にもカチンときていた私の口は止まらなかった。

「浩二が女の子と仲良く歩いているところを見たって子がいるのよ。
本当は２人だけでいったんじゃないの？」

『･･･何言ってんの？俺さっきも言ったよね。春斗たちと－』

浩二はほんの少し語気を強めたのが電話越しからもわかった。

だけど、一度不信感を抱いてしまった私に彼の言葉は届かず

「嘘よ」

私は浩二の言うことを信じられなくなっていた。

しばらく沈黙が続いた。

実際はそんなに長くはなかったと思う。

だけど私にはもの凄く長く感じた。

そして浩二の口から出た言葉は私をどん底に落とした。

『は～～っ。面倒くさ・・・そんなに俺の言ってることが信じられないなら･･･別れよう』

別れという言葉がこんなにも簡単に、

しかも電話中に出てくることに驚きと信じられない気持ちになった。

そして売り言葉に買い言葉で私は言っちゃいけない事をまた言ってしまった。

「わ、わかったわよ。別れましょ」


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