やりなおしちゃってもいいんですか?
「いった~~い」

しかめっ面で母を見る。

「いった~い!じゃないわよ。あんな可愛い子がメグのライバルとは・・・
しかも身一つで遠い所から一人で来るなんて凄い情熱よ~。
なんだか手強そうだから・・・頑張りなさいよ」

母の言うことはもっともだ。

好きって気持ちだけでここまでの行動を自分は出来ただろうか・・・

浩二が北海道にいたなんて知らなかったからしなかった・・・じゃない。

もし知っていても私は彩ちゃんの様に浩二を追いかけたりはしなかったと思う。

そんな彼女に浩二を諦めてもらうなんて・・・一筋縄じゃいかないだろう。

それでもちゃんと伝えないと。

私が恋愛から逃げていた分を取り戻さなきゃ・・・



・・・な~んて偉そうな事思っていたが

実際は話しかけても耳を傾けてくれるような状態じゃないことに

うなだれる。

でも彼女が浩二の事を思っていた年月を考えたら

仕方がないのかも

だけど・・・こうもあからさまに無視されると心が折れそうになる。

そんな私を見かねた母が彩ちゃんに話しかける。

「彩ちゃんは学生さん?それとも・・・社会人?」

ほんの少しの間がありゆっくりと話し始める

「短大を出た後・・・就職はせずに・・・こうちゃんのお嫁さんになるため
お料理教室や資格を取るための勉強をしてました」

ボソボソと小さな声で話すものの母を真っ直ぐみるその姿勢に

まだ諦めないという強い意志を感じる。
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