やりなおしちゃってもいいんですか?
「だってさ~お手伝いしたかったんだもん」

彩ちゃんははまるで子供の様に理不尽さを丸出しで私の方を見る。

いや、これは睨んでるといった方がいいな…

「と、とりあえず奥いきましょうか~」


事務所には店長、浩二、彩ちゃん、そして上野さんもいた。

事の経緯を店長に説明すると

やはり店長も私と同じ意見だった。

「知っている人ならまだしも初対面のお客様のお手伝いをするというのは
あまり好ましくないように思います」

だが彩ちゃんは納得できないようでさっきからずーっと口を尖らせている。

「すみません、彩がご迷惑おかけして…
彼女…僕の知り合いなんですけど時々突拍子もないことやらかすんで」

見かねた浩二が店長に頭を下げる。

だがそれに反論したのは誰でもない彩ちゃんだった。

「こうちゃんやめてよ。我儘なことを言ってるのはわかってるよ。
でも私は今までこうちゃんの事だけのために頑張ってきてそれが当たり前だと思ってた。
だからメグさんが何で他人のために頑張るのか知りたくて来たの。
でもメグさんが接客してる姿を見たら自分も協力したいって…」

彩ちゃんの手伝いたいという思いが思い付きじゃないのは

わかったけど…それを私が承諾するわけにもいかない。

じゃあ、日を改めて彩ちゃんと2人でキャンドルづくりをと一瞬思ったが

彩ちゃんがしたいことは「誰かのため」であってキャンドルを作りたいのでは

ないのがわかっているだけに私はなんて声をかけたらいいのか

悩んだ。

その時だった。
< 149 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop