やりなおしちゃってもいいんですか?
浩二はその後ミーティングがあるからと会社に戻った。

私は上野さんと今後の打ち合わせやそれに伴う発注などの作業をしていた。

そして彩ちゃんは…というと私の仕事が終わるまで店にいた。

アロマという言葉は何度も耳にしてはいたらしいが

こういった専門のショップに入ることも商品を見るのも初めてらしく

膝に手を乗せ体を屈めながら商品を見る姿は可愛くって

さっきまで大注目を浴びていたとは思えないほどだった。

しかも塩田さんとは歳が近いのかすぐに仲良くなっていた。


結局彩ちゃんは閉店まで店にいた。

そこで…バレた!

「え?えええ?」

閉店作業していた時だった。

外から

店の外で奇声の様な声を上げたのは塩田さんだった。

そして苗の入ったケースを持ったまま私の前に立った。

「彼氏だったんですか?」

一瞬何事かと思ったが塩田さんと一緒にいるのが

彩ちゃんだということを思い出し塩田さんの言いたいことを理解する。

「あ…そ、そうなんだ~。隠すつもりはなかったんだけど…
今日は彩ちゃんが店に来るって聞いてたからそのことで頭がいっぱいで
本当の事が言えなかったの…ごめー」

謝りきる前に塩田さんが私の肩をバシバシ叩く。

「いいんですよ~~。でも…まさかあの杉谷さんが元カレでしかも
ヨリを戻したなんて~すごいじゃないですか?!」

彩ちゃんそこまで言ったのか…

「…うん…でも…」

外で閉店作業を手伝ってくれている彩ちゃんを見て複雑な思いだった。

だって…彩ちゃんは浩二の事が好きなのに…

どんな気持ちで私が浩二の彼女だって言ったんだろう‥‥

でも彩ちゃんの気持ちを私は聞くことはなかった。

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