やりなおしちゃってもいいんですか?
そして洗い流そうと水をだし流そうとしていたときだった。

「これって運命なのかな」

浩二がぼそっと呟いた。

な、何言ってんのこの人は!と思った私は聞こえなかったふりをするかのように

顔をワシャワシャと洗った。

こんなこと言われてなんと言い返せばいいのだろう。

浩二の真意が全くわからない。

っていうか昨日のご対面の時のまるで初対面みたいな態度に安心しきっていた私は

ハッとした。

私の事憶えているの?

だからってなんで今ここで言うの?

運命だからなんだっていうの?

浩二が何を思ってこんな事を呟いたのか私にはさっぱりわからない。

だからといって何もなかったかのように

普通に話せるほど自分は大人じゃないから

聞こえなかったそぶりで泡のついた顔を洗いながすと

首に巻いたタオルで顔を拭き洗面所を出た。

そのときだった。

「俺はメグに会えてうれしいよ」と背中を向けている私の肩を

ぽんと叩いて先に洗面所を出た。

え?えええええ?!

それって・・・どういう意味?!
< 16 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop