やりなおしちゃってもいいんですか?
洗面所で浩二に会えて嬉しいと言われた私は頭が真っ白なまま部屋に戻り

支度を済ませると朝食も食べずに家を出た。

いつもより1時間以上も早く家を出たため

会社の近くのコーヒーショップで軽い朝食を取ったが

頭の中は浩二に言われたあの言葉に支配され、どうなってんの?

と答えをだせないまま会社へと向かった。


私はドライハーブをはじめアロマオイル、アロマキャンドルなど扱う

アロマショップ「confort(コンフォート)」に勤めている。

ここでは商品の販売は勿論、初心者から専門的な事が学べるアロマスクールも開催している。

店は都内に3店舗あり私の勤めている店舗は2号店になる。

私は仕入れ、接客の他にマッサージオイルや消臭スプレーなどの作り方を学ぶ

アロマ初心者コースと

ドライハーブを使ったリースやサシェを作るクラフトコースの講師をしている。

まもなく上級者向けコースの教室があり店長は準備に追われている。

「メグさん大丈夫ですか?」

スタッフの塩田さんが心配そうな表情で私を見ていた。

「え?どうして?」

「さっきから何度も何度も溜息ついてましたよ。店長に見つかるとヤバいから・・・」

塩田さんは教室の準備をしている店長をちらりと見た。

店長は仕事も出来るし、いい人なんだけど気分にムラがある。

今日は教室で使う商品の到着が遅れてて、ついさっき届いたものだから

焦っているのでご機嫌斜めになりかけている。

こんな時は店長を怒らせると仕事がやりにくくなるから塩田さんも気が気じゃなかった。

「ごめんごめん。ちょっと考え事をね・・・」

私もちらりと店長を見た。

だが準備に追われている様で気付かれてなかった事に

ホッとした。

すると、業者さんが納品にやってきた。

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