やりなおしちゃってもいいんですか？
「ごめん。俺、こいつと食事に行きたくて誘ってる所なんだ。だから
君とはいけない」

しゃべり方は優しいが言葉そのものはキツい。

浩二ってこんな言い方する人だったっけ？とおもった。

だが、すんなり引き下がる様な素振りを見せない女性は

真顔で私の方をちらっと見ると浩二に満面の笑みを浮かべる。

「え～そうなんですか？･･･だったら～３人で行きません？」

私は彼女の大胆な提案に目を見開いた。

でも、こういうめげない子って何に対しても強いんだよな。

彼女みたいになりたいとは思わないけどその行動力を少し分けて欲しいと

思いながら見ていた。

だが浩二はそんな女性に対して大きく溜息を吐く

「俺さー、こいつの事が好きで今アプローチ中なんだよね。そこ察して
くれないかな」

冷たい視線を彼女に向けるとさすがに諦めたのか

「お邪魔しました」といいながら･･･私を睨んだ。


正直睨まれても困る。

だって･･･今浩二が言った事は

彼女からの猛アタックを回避するために

ついた嘘だとおもった。

だから私は敢えて確認は取らなかった。
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