やりなおしちゃってもいいんですか?
最初はぎこちない感じで話をしていたが

お酒のせいもあり徐々に話せる様になると

私は気になっていた事を質問する。

「あのさ・・・3年に進級する前に引っ越ししたよね。学校が変わってしまうほど
遠い所に行ったとは思っていたけど実際どこにいたの?」

「札幌だよ」

私の目をじっと見つめると視線を落としつまみの焼き鳥を食べた。

「札幌?!」

転校しなきゃならない場所だから遠い所だと思っていたが

まさか札幌だとは思ってもいなかった。

浩二は私が驚いている顔をみてフッと笑うと話しを続ける。

「高校3年になる前の3月に父親の転勤が急に決まったんだ。
最初は親父の単身赴任って事になってたんだけどさ
北海道に住んでみたいって母親が言い出して・・・
ほぼ無理矢理北海道に連れてかされた。それから北海道の大学に
進学をしたんだけど就職だけは長年暮らしたこの場所がいいと・・・俺だけ戻ったんだ。
だけどまさかマンションの大家がメグの親だとは思ってもいなかったよ」

浩二はクスッと笑いながらビールを飲み干した。

「それはこっちのセリフよ。一体いつからあのマンション住んでたの?」

「あのマンションができてすぐだからー3年?」

なるほどね・・・じいちゃんがまだ大家やってた頃に入居したんだ・・・

私は納得するように小さく頷くと浩二がじーっと私を見ていた。

「な、なに?」

訝しげに尋ねるも浩二はなぜか凄く嬉しそうに微笑む。

なぜそんなに嬉しいのかと思っていると浩二は

「水漏れした事・・・感謝しなきゃな」と意味不明な事を言う。

「え?!何で感謝?」
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