やりなおしちゃってもいいんですか?
「どうしたの?」

私は、御飯を食べながら母に尋ねると電話の相手はマンションの住人からで

上の階から水が落ちてくるから見て欲しいと言われたそうだ。

私の親はアパート経営をしている。

といっても元々は私の祖父がやっていたのだが

その祖父が2年前に他界し、母が引き継いだのだ。

今電話があったのは家から500m程の場所にある単身向けの

ワンルームマンションの住人かららしい。

そのマンションは祖父が亡くなる1年前に建てられたもので

祖父の知り合いのお孫さんに設計をおねがいしたところ

とてもおしゃれなマンションになり、人気物件になっているらしく

空きがでてもすぐに入居が決まるらしい。

母は夕飯を急いで食べ終えると

「ちょっと行ってくるから後片付け頼むわね。あとお風呂も先に入ってね」 

と言ってマンションへと向かった。

一人残った私は母の言いつけ通り、後片付けをし、お風呂に入った後スウェットの上下に着替えた。

そしていつもの様に髪の毛を高い位置で結んだ姿でリビングのソファーに横になって

テレビを見ながら

思いっきりくつろいでいた。

すると玄関のドアの開く音が聞こえた。
< 3 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop