やりなおしちゃってもいいんですか?
本当は・・・

残念でした。頑張らなくても昨夜復縁申し込まれました~って言いたいところだったけど

言えるわけがないので無言を貫いた。

母は無表情の私にこれ以上何か言っても反応はない

と思たのか諦めて御飯を食べようと口を開けるが

突然「あっ!」と何か思い出したかのように浩二を見た。

「そうそう、忘れるとこだった。水漏れの件なんだけどね・・・」

水漏れの原因がわかったらしい。

どうやら上の階のお風呂の管の劣化だった。

それの工事を今日行うと言うことだった。

浩二の部屋の天井を開けての工事だそうだが

ついでだからいろいろと点検してもらう事にしたそうで

恐らく2~3日中には家に帰れるとのこと。

あとこんな生活が2~3日も続くの?という思いと

2~3日一緒なんだという思いが

入り交じり何だか複雑な気持ちになる。

もう自分でもわけわかんないです。

「ごめんなさいね~杉谷君にはご迷惑おかけしちゃって~
慣れない生活で不自由してるでしょ~?」

私には絶対言わないような余所行きの声の母に対し、浩二はやっぱり笑顔だ。

「いいんですよ。僕、一人暮らしが長いのでこういう賑やかな雰囲気が楽しいです。
お邪魔じゃなければ工事が終わるまでよろしくお願いします」

箸を置き姿勢を正し頭を下げる浩二に母の目はハートになってる。

「いいのよ~なんならずっといてもいいのよ」

大家らしからぬ事を言う母と浩二のやりとりに聞こえない程小さな溜息を吐いた。
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