やりなおしちゃってもいいんですか？
その日の午後、お店で接客をしているとチリンチリーンと

お客様の来店を知らせるドアベルが鳴った。

すると店内にいたお客様と私を除くスタッフが一気にざわついた。

店に入ってきたのはなんと浩二だった。

女性客の多い時間帯に男性が来ただけで一瞬で多くの視線が男性にいくが

スーツ姿のイケメンが来たことでみんなの視線が浩二に釘付けになる。

「な、何しにきたの？」

接客中だと言うことをすっかり忘れて

私は浩二に駆け寄り露骨に嫌な顔をする。

「何しにって･･･仕事だよ」

ぶっきらぼうに答える浩二に甘かろうが辛口だろうが

かっこ良ければ何でも許されるのか

店内にいる人の視線が一向に浩二から離れないのだ。

「仕事って？どういうー」

「小林さんと２時に会う約束してんだけど」

まるで私には関係ないと言わんばかりの目で用件をいう。

「・・・そ、そう･･･」

店長の名前を口にだされたら何も言い返せず

店の奥にいる店長の小林さんを呼びに行く。

すると浩二を事務所に案内するように言われた。

やっぱりアポ取ってたんだ･･･と思うと同時に

浩二がこの近くの会社に勤めているのは

知っていたがどんな仕事をしているのか知らなかった事に気付く。
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