やりなおしちゃってもいいんですか?
「どういうことよ」

2人きりになると開口一番文句をいう私に浩二は

「こういうこと」

そのまんま言葉がかえってくる。

「これって嫌がらせ?」と聞けば「なわけねーだろ」と真顔で返される。

「いやいや、どう考えても嫌がらせとしか思えませんが?」

しつこくつっこむ私に浩二はやれやれと大きく溜息を吐く

「お前ってそんなにひねくれてたっけ?10代の頃はちょっと自分に自信がなくて
もじもじしてたけどあれはあれでおれは可愛いなって思ってたけど・・・その時の
面影がかなり薄れてるぞ~~」

腕組しながら顎に手を当て納得した表情で私を見た。

「ひねくれてて悪かったわね。だったら昨日言ってたことも酒の上での冗談って事で
なかった事にしてよね」

口を尖らせながら言葉を吐き捨てるが

自分で言っておきながらなぜかチクリ胸が痛む。

何で?痛いの?

「は?!何言ってんの?前よりちょっとひねくれたかもしれないけど基本お前はかわいい。
昨日の話は酒の上での冗談でもなんでもない・・・ってかそろそろ真面目に仕事しない?」

浩二は穏やかな表情で淡々と話すとちらりと店長の方を指さす。

店長はチラチラと私達の方を監視・・・いや見ている。

でも見ているのは浩二の方が圧倒的に多い。

「店長彼氏いないわよ」

教室で使うアロマオイルを用意しながら小声で言いうと

「ふ~~ん。でも生憎俺にはメグっていういい女がいるので遠慮しておくよ」

浩二は顔色も変えず淡々と・・・当たり前のように言う。

何言ってんの?!と言い返したい所だったが店長の目もありぐっと押さえた。
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