やりなおしちゃってもいいんですか?
「は~あ」

小さく溜息を吐くとなぜか浩二がガラスの容器を差し出していた。

「な、なんですか?」

上目遣いで尋ねると、「嗅いでみてよ」と言いながらぐっと差し出してきた。

「大丈夫です。自分で配合してるんで香りはわかってます」

丁重に断るが浩二は差し出した手を引こうとしない。

「いいから、嗅いでみてよ」

「なんで?」

「だってこれって催淫作用があるんだろ?」

浩二はニヤリと笑う。

「た、たしかに催淫作用があると言ったけどこれを嗅いだからって
即効性があるわけではないです」

慌てて否定すると浩二は差し出した手を引っ込めると溜息を吐く。

「なーんだ。つまんねーな。俺はこれをメグが嗅いでムラムラする顔がみたかったのに」

口角をあげ上目遣いで私を見る浩二は完全に私をからかっているようだ。

「残念でした。では、今ご紹介した物を用意しますので
もうしばらくお待ちください」

本当は心臓がバクバクしていた。

だって浩二の私を見る目が凄く凄く熱かったから・・・・

私は浩二の視線をかわす様に席を立つとパソコンから資料を出し、プリントしながら

お店で扱っているものよりも内容量の少ない教室用のアロマオイルを用意した。
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