やりなおしちゃってもいいんですか?
そしてその日の仕事が終わった夜7時。

店をでると浩二が待っていた。

「ど、どうしたの?もしかして仕事の事?」

先日、仕事でうちの店に来ていたので何か聞きたいことでもあるのかなと

思って聞いてみたが・・・

「お前を待ってたんだよ。晩飯の買い出しに行こうぜ」

浩二は私の返事も聞かず腕を掴んだ。

「か、買い物って・・・私そんなに料理は得意なほうじゃないよ」

という私に浩二は「俺も」と笑顔を向けた。

私達は自宅からほど近いスーパーに来た。

浩二は野菜売り場で白菜を持つと私の方を見てニヤリと笑う。

「・・・・鍋にしょう」

「鍋?」

浩二は白菜をカゴにいれるとネギ、えのきと鍋に入れる食材を

手際よく入れる。

・・・返事してないのに食材をカゴに入れてるし

料理は得意じゃないって言いながらもこの手際の良さ、出来る!

得意じゃないなんて嘘だと思った。

昔から何でも器用にこなしてたから料理が出来ないって方が違和感がある。

恐らく私に気を遣って『俺も』っていったんだろう。

私は本当に得意とは言い難いけどね。

レパートリーだって片手ぐらいだし・・・
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