やりなおしちゃってもいいんですか?
でもどう見たってあれは熱くて涙が出てた。だから

「私の前では正直に言って。本当は熱かったんだよね。
無理して食べたんだよね」って

浩二は恥ずかしそうに「ごめん実は俺超が付くほどの猫舌なんだ」って

普段見せないはにかんだ表情に胸がキュンとして

あ~やっぱり私、浩二の事凄く好きなんだって再確認したっけ

「あれな~本当は熱くてはき出したかったけど・・・
メグにかっこ悪いとこ見せてフラれたくなかったからさ」

浩二と目が合う。

結局たこ焼きとは全く関係ない理由で別れたけどね。

きっと浩二も同じ事を思ったからだろう・・・私を黙ってみていた。

でもこの沈黙が嫌で

「今だから言えるんだけどね、付き合っている間も
なんかの賭けのターゲットにされたって心の中は常に思ってて、
いつ『あれは嘘だった』って言われるかドキドキしてたんだよね。
それに好きな気持ちは自分の方が断然上だと思っていたし・・・」

頬杖をついてあの頃を懐かしむ様に、私は過去の思い出話として話す。
< 56 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop