やりなおしちゃってもいいんですか?
すると浩二は話を続ける。

「これこそ今だから話せる事なんだけど・・・メグの事
気になってる隠れメグファンが結構いたんだよね」

「え?!」

これにはさすがに驚いて、持っていた箸を落としそうになる。

「少なからず3人はいたよ。しかもそのなかの一人が
メグに告白しようかどうか話をしているのを聞いて
めっちゃ焦って・・・それであんな告白したんだ」

浩二はわざと視線を外しながらビールを一気に飲む。

浩二の話にびっくりしたがそれ以上に

私のことが好きだった男子が浩二以外にもいたという新事実に

目が点になる。

「・・・って事は私って意外にモテてたって事?」

今は全くと言ってモテないが私の知らないところで私は

モテていた。

知らないうちにモテ期が通り過ぎていたという事になる。

「・・・だね」

浩二は拗ねた表情で小さく頷いた。

「でも仕方がないのかな・・・私達って付き合う前の話ってあんまりしなかったよね。
特に私なんてあの頃とにかく必死だったって言うか・・・この恋を頑張らないとって思いがあって
好きっていうのは前提にあるんだけど相手を思いやる余裕はなかったかも・・・」

だから別れちゃったんだ。

人を好きになるって事はその相手を思いやることで・・・

それに気付いたのは残念ながら別れた後だった。

そして会話が止まり、手も止まる。

視線の置き場に困る私は下をむく。
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