やりなおしちゃってもいいんですか?
「で?式の予定は?」

塩田さんは首を横に振る。

「まだ何にも・・・でも式とかより早く一緒に暮らして
彼をサポートしたいんです」

「そっか~一緒に暮らすね~・・・」と行った途端

私の脳裏に浩二の顔がボン!浮かぶ。

いやいやあれは一緒に暮らしているんじゃない。

母さんが急遽父のいる大阪に行っちゃって2人になっただけで

・・・と頭の中で咄嗟に否定する。

「メグさん?」

塩田さんに名前を呼ばれ我に返る。

「な、なに?」

「メグさんはどうなんです?好きな人いないんですか?」

好きな人と言ってまたも脳裏に浩二が登場した。

「い、いないわよ。大体私なんて店と家の往復だけだし、こういう職種って
女性の方が圧倒的に多きからなかなか出会いもないというか・・・」

苦笑いする私を見て塩田さんが何かを思いだしたかのように軽く手をたたく。

「そういえば~先日スタジオRさんの紹介で店にきた
超絶イケメン。彼なんかどうです?
なんだかメグさんと凄く楽しそうにしゃべってたじゃないですか~。
あっ!でも彼女いるのかな~いそうですよね~だってイケメンって言葉じゃ
物足りないくらいかっこ良かったですもん。」

いませんよ~~。

彼女なしで只今家に居候中・・・とはいくら塩田さんでも

言えないわ。

「あれは~ビジネススマイルよ」

とはぐらかす。

「そうですかね~でもなんか遠巻きに見てましたけど、
メグさんよりイケメンさんの方が
積極的な感じがしたんですけどね~」

塩田さんは納得していない様子だった。

でもそんな浩二と私8年ぶりにキスしちゃったんだよね。
< 65 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop