やりなおしちゃってもいいんですか?
「え?そ、そうなんだ・・・」

思ったより工事が早く終わった事に残念だと思う自分がいた。

「だからさ俺・・・帰るわ」

と浩二が淡々と言う。

2~3日中に帰るのはわかっていたけどあまりに突然で

一言あっても良いんじゃないかという思いもあった。

だからといって浩二を引き留める理由はない。

だって復縁したいと言われたけど私は返事を保留にしたのままだ。

だけどもう少し一緒にいたいと思う気持ちもあって・・・

「じゃあさ・・・御飯食べてからかえったら?ほら夕飯の買い物してきちゃったしさ」

食材の入ったマイバッグを指さした。

これが今の私の精一杯の言葉。

だけど浩二は首を横に振る。

「俺が帰ったらメグ一人になるのはちょっと心配だけど、
これ以上好きな人と二人きりでいられる自信がない」

ボソリと呟く。

「え?」

浩二はそっと私の唇に人差し指を当てる。

「昨日あんなキスしちゃったからさ」

寂しそうに浩二は笑うと話を続ける。

「一緒にいると理性を保てる自信がない」と吐き捨てるように言う。

確かに昨日のキスが頭から離れなくてどう接したらいいのか戸惑いはあるが・・・

でも帰って欲しくないって気持ちも少なからずあって・・・

「でも御飯ぐらい-」

マイバッグから食材を取り出そうとすると浩二は首を横に振る。

「お前、ぜんぜんわかってないのな。昨日のキスだって俺の中では
ぎりぎり理性保てた方なんだよ。
だけどこのまま俺の野獣スイッチがオンになったら歯止めが効かなくなる
・・・だから折角だけど帰るよ」

浩二は私の肩をぽんと叩くとそのまま玄関へと向かう。
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