やりなおしちゃってもいいんですか?
その時、浩二の顔が浮かんだ。浩二がいてくれたら

そうだ、電話・・・脱衣所に置いてある。だけどどうやって?

でもこのままここにいたって浩二が来てくれるはずなどない。

こうなったらやるしかない。

意を決した私は

全神経を浴槽に集中させて音を立てずにゆっーくりと立ち上がる。

だけどまたガタッと音がして

声を上げたくなるほど怖くなる。

お願い来ないで!

心の中で願いながら浴室の扉をゆっくり開けて手だけを伸ばすとスマホをとる。

そして浩二の電話番号を探す。

だが浴槽ににつかりすぎていた私は頭がぼーっとし始める。

しかも手がふやけてなかなかスマホが反応してくれない。

それでも何とかスマホをタップして電話をかけた

2コールで浩二が出た。

「メグどうした?もしかして俺にー」

「助けて・・・浩二・・・たすけ」

浩二にしか聞こえないくらいの小さな声で助けを求めた。

だが、私の体力は限界に近かった。

「メグ?メグ?」

浩二の私を呼ぶ声は私の耳に届くことはなく

私の意識はそこで止まった。
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