やりなおしちゃってもいいんですか?
「ん・・・ん~ん」

どの位たっただろう。

ゆっくりと瞼があくとそこにはよく知った顔があった。

「メグ!」

かなりの至近距離で心配そうに見つめる浩二の姿があった。

「浩二・・・」

何で浩二がいるんだろう。頭がぼーっとしていて

いまいち状況が掴めていない私に浩二は安堵の表情を浮かべる。

周りを見渡すとリビングのソファーで横になっている私は

パジャマ姿だった。

「メグからの電話にラッキーって思ったらきなり『助けて』だろ。
何事かって飛んできたよ」

浩二の言葉で風呂場での出来事を思い出した私は、がばっと勢いよく起き上がり

「泥棒は?」と尋ねる

「…泥棒?」

浩二はきょとんとしていた。

「がたがたっと何度も音がして、だから泥棒が入ってきたんじゃないかって・・・
でも私、お風呂に入ってて身動き取れなくなって」

浩二は私の頭を安心させるように優しく頭を撫でると首を横に振った。

「大丈夫、泥棒はいなかったよ。何か取られた形跡もなかったしね。だけど・・・」

「だけど?」

「侵入はされてた」

浩二は真剣な表情で頷きながら答える
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