やりなおしちゃってもいいんですか?
何でそんなお願いをするのかわからなかった。

「私じゃなくても杉谷君ならたくさんもらえるんじゃ・・・」

どんな理由かわからないけど、こんなストレートに頂戴と言われると

何か別の魂胆があるのではと警戒してしまう。

浩二は何だか落ち着きなく「それは・・・」と言ったまま口ごもった。

「杉谷君?」私が名前を呼ぶと

「たくさんなんていらないんだよ。俺は・・・・・・」

浩二は一度深呼吸をすると私の目をじっと見つめた。

「俺・・・田嶋のことが好きだから・・・義理じゃないチョコが欲しいんだ」

「え?」

私は驚きのあまり口をポカンと開けたまま固まった。

今のって・・・まさか!

私告白された?

学年1のイケメンが特別綺麗でも可愛くもない私のことを好きだと言った。

頭が真っ白で夢でも見ているのではと思ってしまうぐらい浩二からの告白は

私にとって非現実的な事だった。

「これってなんかの賭けの罰ゲームとか?」

本気でそう思った。

何かの間違いだ、これはきっと何かの罠だと。

だけど浩二は首をぶんぶんと横に振った。

「んなわけないって。本気の本気!信じてよ」

顔を真っ赤にさせる浩二をみて本当に告白されたのだと実感した。
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