やりなおしちゃってもいいんですか?
もしかして浩二?!私は咄嗟に身なりを整え急いで玄関へ向かうと

インターフォンで確認もせず「はい」と言って元気よくドアを開けた。

だが相手は…浩二ではなかった。

「こんにちは、あら~メぐちゃん。お母さんは?」

うちに来たのは2件隣の竹下さんだった。

母とはよくランチに行くお友達だ。

「母は今、大阪にいってるんですよ~」

「あら~そうなの?」

理由を知りたそうに上目づかいで見るもんだから

「父がぎっくり腰で・・・」と言いながら

腰に手を当てると竹下さんは顔を歪めた。

「あらら~それは大変だわ…私もやったことあるけどね~」

だめだ、この話の流れだといつまでたっても話続ける。

「あの~急用でした?」

話が長くならないように言葉をはさむと、竹下さんは口に手を当てながら

我に返ったようにコーヒーショップの紙袋を私に差し出した。

「ごめんね~私ったら…実はね、さっきうちの娘がイチゴをたくさんもってきたから
おすそ分けに来たの」

「ありがとうございます」

竹下さんの娘さんの嫁ぎ先がイチゴ農家で、娘さんが持ってきてくれると

必ずと言っていいほどおすそ分けしてくれる。

「今日のイチゴはね小さいからジャムにした方がいいわよ」

「…そうなんだ。早速作ります」
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