やりなおしちゃってもいいんですか?
そしてコンクリートうちっぱなしのいかにもデザイナーが設計しました。

って感じの4階建てマンションに到着。

実はこのマンションが出来上がった時、じいちゃんが大家だったし、

融通聞くと思ってこの部屋借りたいってお願いしたんだけど

既に満室状態で借りれずじまい。

そのマンションにまさか元カレが住んでるとは・・・

マンションを見上げ世間の狭さを痛感する。

そして大きく深呼吸をするとまるで敵陣に入る勢いでマンションに入る。

「確か…305って言ってたっけ」

ゆっくりと階段を上り3階につくと突き当りに305、そしてローマ字で

「SUGITANI」と表記されている表札が見えた。

途端に心拍数が速くなる。

心の中は、いてほしいという気持ちと留守だったらいいのにと

複雑な思いが絡み合う。ゆっくりとした足取りで一歩一歩浩二の部屋へと進み

部屋まであと数歩というところで

ガチャ

浩二の部屋の玄関ドアがゆっくり開いた。

「-こ・・・!」

名前を呼ぼうとして声が止まった。

玄関から出てきたのは浩二ではなかった。
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