やりなおしちゃってもいいんですか?
「は~っ…は~っ」

立ち漕ぎきっつー。

最後に立ち漕ぎしたのって高校生の時だったっけ?



家に着くと

肩で息をしながら力なくソファーに体を埋める。

「……本当に私って馬鹿よね~おバカさんよね~」

ずっと恋愛干からび系だったのに突如泉が湧いてきてたかのように

心が潤ってきたのかと思いきや

それ以上泉は湧いてこなかったって・・・オチだね。

それでも久しぶりに胸がキュンと痛くなるほどの毎日に

ドキドキしたのは事実で

あ~私って女だったんだなって…痛感させてもらった

でもこれでよかったんだよ。

本気になる前に気付かせてくれたって事よ。

そもそも復縁なんて無理な話だったんだよ。

夢だと思えば傷も浅いかな~

「…にしても、彼女っがいるならいるって言ってよね!
もう~、なんで彼女がいるのに
あんなしびれるようなキスするのよ。
浩二にとっちゃ挨拶みたいなものかもしれないけど
私にとってはあんなキス初めてだったんだから。バカ!バカバカバーカ!」

家に私一人だけをいいことに大きな声で叫ぶ。

「あ~あ複雑だな~。俺のキスにしびれちゃったって持ち上げといてバカ4連発。
俺はメグに好かれてんのか嫌われてんのかどっちなんでしょうね~」

・・・え?

私の背後から聞きなれた声が聞こえ凍ったように固まる。

な、なんでいるの?
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