やりなおしちゃってもいいんですか?
「は?」

こいつなにいってんの?と首を傾げると浩二は腰を左右に振りながら

「立ち漕ぎってケツがこう左右に揺れるだろ~いい眺めだった」

とジェスチャー交じりに私の顔をのぞきこみながら口角をぐっと上げる。

「ス、スケベ!」

恥ずかしさのあまり顔がゆでだこみたく真っ赤になる。

「…スケベで結構。俺はメグの前では常にスケベです」

言葉はとは裏腹に浩二の私を見る目は優しくて戸惑う。

だが!そうじゃないよ。

その優しい目に騙されちゃいけない。

この男、相手がいるにもかかわらず私にも声かけてんじゃん

「ふん、たらしのくせに」

腕組みしながらぷいっとそっぽを向く。

「は?そういえばマンション前でも大きな声で『たらし』って言ってたけど・・・
意味がわからん」

「はぁ?どの口が言う?私はこの目でしっーかり見ましたけど?ミディアムボブの
モデルみたいな女の人。それとも私は幽霊でも見たのかしら?
あれ?でもおかしいな~浩二はなんだか楽しそうに会話してました…が?」

ここまで言わないとわからないのかと腹が立つ。

だが私の話を聞いた浩二は一瞬きょとんとしたもののハッとして次には

げらげら笑いだした。
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