March
折角外食だった夕飯もろくに喉を通らず、家族に心配されたが、結局家に帰ってから、疲れたのかすぐに寝入ってしまった。


わたしが目を醒ますと、もう朝の9時だった。
今日、合格発表だ!って気付いて、私の心臓は早鐘のように鼓動を打ち始めた。わたしは昔からこういう出来事に弱い…。
合格発表の時間は正午12時。
父も母も共働きで仕事だったから、わたしは祖母と祖父とで合格発表を見に行くことになった。
「あー絶対落ちとる…………やばい……」
「なん、多分大丈夫やー」
「落ちたら私立行かんなんしやだー……」
ずっと後ろ向きなことを考え続けていたにも関わらず、時を違えずに、合格発表の時間は訪れた。

結果、わたしの受験番号は果たしてそこにあった。
わたしは県立矢鶴高校に合格した。
全然実感がなかったけれど、周りの人達が一喜一憂しているのをみて、とりあえずよかったなと思った。
一緒に受験した同じ中学の友達と一緒に喜んだ。
「絵梨香ー!よかったね、受かったよー」
「うん、やったね!早苗」
「わたしも合格だよー」
「菜々子も合格ー?嬉しい!これで4人中3人は合格だね」
「美奈ちゃんはどうかな?」
「あの子寝坊してるのかもね………確かあの子の番号……431だったかな?…………あ、あるよ!」
「ほんとだー!じゃ、全員合格だね!」
わたしの中学からは4人が受けて、みんな合格した。成績の良かった男子は皆、他の進学校を受けていたから、皆女の子だった。

あと20日したら、高校生活が始まる。
< 3 / 14 >

この作品をシェア

pagetop