March
「折角フルート買ったんだから頑張れよー」と両親に言われ、重い気持ちで家を出た。
オーディションの時間になったら、わたしも理華ちゃんも急に黙って、他の皆も緊張の面持ちだった。
「今から楽譜配るから、30分練習してね。くじで順番を決めます。順番に引いて下さい」
わたしが引いたのは、2番。1番じゃなくて良かった。
各自楽器を出して、練習を始めた。やっぱり、皆上手かった。理華ちゃんの音は深くていい響きをしていた。
中でも、昨日理華ちゃんの言っていた上手な子、嶋田美保ちゃんは飛び抜けて上手い。
なんか、わたし一番下手に聞こえる………。
わたしは焦った。焦ったけど、頑張るしかない。でないと、大枚はたいて買ったフルートが勿体ない……。
1時間後、あの緊張はどこへやら、オーディションはあれよあれよという間に終わった。実感がなくて、無心でとりあえず吹いた。
「結果が分かったから、言います。心の準備大丈夫?まず、2番の人とー」
「……!」
わたしだ。わたしは選ばれたのだ。嬉しさが込み上げて来た。
「4番の人と」
4番は、理華ちゃんだ。
「5番の人」
順当に、美保ちゃん。
これで三人。
とりあえず、それから三人でよろしくね、と言い合って、係の仕事に戻った。
「お、受かったか。よかったなぁ」
「うん、受かったよ。よかったよかった」
将紀君に結果を言って、喜々として作業を再開した。
わたしは明日はお休みだし、と安心していたが、苦手な数学の小テストが月曜日に控えていた……。
家に帰って、わたしは数学のプリントと格闘した。
分からないので、問3分かる?と、将紀君にメールを送る。
すると、すぐに返事が来た。すごく分かりやすい解答の写真が添付されている。
わたしはその日、ちょっと将紀君を尊敬した。
オーディションの時間になったら、わたしも理華ちゃんも急に黙って、他の皆も緊張の面持ちだった。
「今から楽譜配るから、30分練習してね。くじで順番を決めます。順番に引いて下さい」
わたしが引いたのは、2番。1番じゃなくて良かった。
各自楽器を出して、練習を始めた。やっぱり、皆上手かった。理華ちゃんの音は深くていい響きをしていた。
中でも、昨日理華ちゃんの言っていた上手な子、嶋田美保ちゃんは飛び抜けて上手い。
なんか、わたし一番下手に聞こえる………。
わたしは焦った。焦ったけど、頑張るしかない。でないと、大枚はたいて買ったフルートが勿体ない……。
1時間後、あの緊張はどこへやら、オーディションはあれよあれよという間に終わった。実感がなくて、無心でとりあえず吹いた。
「結果が分かったから、言います。心の準備大丈夫?まず、2番の人とー」
「……!」
わたしだ。わたしは選ばれたのだ。嬉しさが込み上げて来た。
「4番の人と」
4番は、理華ちゃんだ。
「5番の人」
順当に、美保ちゃん。
これで三人。
とりあえず、それから三人でよろしくね、と言い合って、係の仕事に戻った。
「お、受かったか。よかったなぁ」
「うん、受かったよ。よかったよかった」
将紀君に結果を言って、喜々として作業を再開した。
わたしは明日はお休みだし、と安心していたが、苦手な数学の小テストが月曜日に控えていた……。
家に帰って、わたしは数学のプリントと格闘した。
分からないので、問3分かる?と、将紀君にメールを送る。
すると、すぐに返事が来た。すごく分かりやすい解答の写真が添付されている。
わたしはその日、ちょっと将紀君を尊敬した。