HARUKA~始~
観覧車を降り、出口へと向かって歩いていると、突然胸騒ぎがした。
香園寺くんの3歩後ろを付いて歩いていたんだけど、この胸騒ぎの正体を確かめようと私は立ち止まった。
「どうかした?」
香園寺くんが振り返って、私が顔を上げると前方から見覚えのあるシルエットが近づいてきていた。
ウソ。
こんなのウソだ。
「はるちゃん、こんばんはぁ」
呑気な声が嫌でも耳に入ってくる。
視界の中でだんだんと大きくなるその存在。
そいつは香園寺くんを一瞥すると、私の目の前に立った。
そしてヤツが腰をかがめ、視界の100パーセントがヤツの顔に覆い尽くされる。
「はるちゃん、帰ろぉ。お腹すいたでしょ?はい、これクレープ」
なんで
なんで
なんで
なんで
ヤツがここに居るの!?
「どうしたのぉ?食べない?」
「なんで」
私の低い声のトーンに合わせて電灯が1つ消え、若干暗さが増す。
「なんで…―――――石澤くんがここに居るの」
最後の方は蚊の鳴くような声で自分でも言葉になっていたのか確信が持てなかった。
「はるちゃんがいると思ったから」
―――――...はあ?
「晴香ちゃん、帰ろう」
香園寺くんが右腕をグイッと引っ張る。
あまりの強さに一瞬怯んだが、彼の歩くスピードに合わせて小走りした。
ヤツが何か言ってたけど、耳に入れないように意識して、ひたすら香園寺くんの背中だけを見ていた。
香園寺くんの3歩後ろを付いて歩いていたんだけど、この胸騒ぎの正体を確かめようと私は立ち止まった。
「どうかした?」
香園寺くんが振り返って、私が顔を上げると前方から見覚えのあるシルエットが近づいてきていた。
ウソ。
こんなのウソだ。
「はるちゃん、こんばんはぁ」
呑気な声が嫌でも耳に入ってくる。
視界の中でだんだんと大きくなるその存在。
そいつは香園寺くんを一瞥すると、私の目の前に立った。
そしてヤツが腰をかがめ、視界の100パーセントがヤツの顔に覆い尽くされる。
「はるちゃん、帰ろぉ。お腹すいたでしょ?はい、これクレープ」
なんで
なんで
なんで
なんで
ヤツがここに居るの!?
「どうしたのぉ?食べない?」
「なんで」
私の低い声のトーンに合わせて電灯が1つ消え、若干暗さが増す。
「なんで…―――――石澤くんがここに居るの」
最後の方は蚊の鳴くような声で自分でも言葉になっていたのか確信が持てなかった。
「はるちゃんがいると思ったから」
―――――...はあ?
「晴香ちゃん、帰ろう」
香園寺くんが右腕をグイッと引っ張る。
あまりの強さに一瞬怯んだが、彼の歩くスピードに合わせて小走りした。
ヤツが何か言ってたけど、耳に入れないように意識して、ひたすら香園寺くんの背中だけを見ていた。