HARUKA~始~
駅までノンストップで走り続けて息が上がっていた。
「はあ…はあ…」
「晴香ちゃん、大丈夫?」
「あっ、はい」
無理やり口角を上げる。
でも、香園寺くんは笑っていなかった。
目が刃物のように鋭く尖っている。
「アイツ…ぜってー許さねえ」
さっきのこと、相当怒っているらしい。
突然やってきて、香園寺くんがせっかく楽しんでいたのに、アイツが台無しにしたのだ。
私だって許さない。
一生、覚えててやる。
「あのさ」
アイツにムカムカして表情が強張っていたところで彼の声が降ってきた。
「約束、破るわ」
…約束?
そんなのしたっけ?
「その顔は忘れてるね。なら、いいや」
「いや、良くないです」
「今日はもう遅いし、帰ろう。じゃあ、また」
えっ…
行っちゃう、の?
良くないよ。
教えてよ。
喉まででかかった言葉は結局全部飲み込んだ。
なんだか最後はうやむやにされて、呆気なく終わってしまった疑似デートを、恨めしく思った。
「はあ…はあ…」
「晴香ちゃん、大丈夫?」
「あっ、はい」
無理やり口角を上げる。
でも、香園寺くんは笑っていなかった。
目が刃物のように鋭く尖っている。
「アイツ…ぜってー許さねえ」
さっきのこと、相当怒っているらしい。
突然やってきて、香園寺くんがせっかく楽しんでいたのに、アイツが台無しにしたのだ。
私だって許さない。
一生、覚えててやる。
「あのさ」
アイツにムカムカして表情が強張っていたところで彼の声が降ってきた。
「約束、破るわ」
…約束?
そんなのしたっけ?
「その顔は忘れてるね。なら、いいや」
「いや、良くないです」
「今日はもう遅いし、帰ろう。じゃあ、また」
えっ…
行っちゃう、の?
良くないよ。
教えてよ。
喉まででかかった言葉は結局全部飲み込んだ。
なんだか最後はうやむやにされて、呆気なく終わってしまった疑似デートを、恨めしく思った。