HARUKA~始~
成績は下げられない。

私は必死だった。

バイトも週3,4日、1日3,4時間やってるけど、学業は愚かにできない。

なぜなら、夢があるから。
絶対に叶えなければならない夢。

約束したから、破れない。
1番大切な人との最後に交わした約束だから。


「看護学部がある大学に推薦入試で合格したいので、理系を志望します」


5月下旬から6月上旬、中間テストの約2週間前に例年行われているという二者面談で私はそう言った。


「理系に行きたいなら、もう少し化学と生物を頑張りましょうか。特に化学。基礎の段階の小テストで0点では話になりませんよ」

「すみません。中間までに勉強頑張るので…」

現実はそう甘く無い。

努力しないと、誰よりも本気にならないと届かない。

いや、届いちゃいけない。

中途半端な気持ちで夢を掲げてはいけない。
叶えちゃいけない。

人間の生と死に関わるのだから、それなりの覚悟が無ければ務まらない。








約束は必ず叶える。

なんとしても。
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