HARUKA~始~
夏休み前1-4最後の放課後召集
議題:体育祭参加競技について
黒板にはそう書かれている。
私にとっての地獄の季節がやってきた。
運動音痴というほどの音痴ではないのだけれど、日常的に運動しておらず、運動部に所属した経験のない私はどうせ足手まといになるだけだ。
だから、できればこんな行事休みたい。
実際に私は中学3年生の時は休み、家で
1人黙々と受験勉強をしていた。
誰とも会わないように外には出ない。
残暑が厳しかったけど、クーラーなんて家にはないから扇風機を弱にして節電しながらやり過ごした。
体を冷やすために、安価なガリガリ君を買った時にもらった保冷剤をガーゼにくるんで脇の下に挟んだり、首に水で濡らしたタオルを巻いたりしてやり過ごした。
今思えばいい思い出だ…
1人思い出にふけっていると、着々と話し合いは進んでいて、すでに参加競技の割り当てを決めていた。
こういう時、大抵は自己主張の激しい人たちが好きな競技を先に選び、そうじゃない控えめな人たちが残ったものに強制的に配属される。
今回もそうなるんだろうなぁと思って見ているとやっぱりそうで、私は一番人数の多いドッヂボールチームに配属になった。
逃げるだけに専念しよう。
そう心の中で誓った。
「あっ、晴香ちゃんと同じだね。よろしく」
突然話し掛けられて戸惑ったが、びっくりしなくても大丈夫。
関くんだった。
「そうなんだ。よろしくね」
「私もドッヂボールだから、よろしくね~」
ウソ…―――――八千草ちゃんもか。
正直、疲れそう。
関くんを追ってばかりで周り良く見えてなさそうだもん。
そしてそして極めつけは、アイツ。
「はるちゃん、よろしくねぇ」
「はいはい、よろしく、よろしく」
たしなめていると香園寺くんが私から数メートル離れた自分の席から視線を送っててきた。
嵐の予感がした。
大嵐に巻き込まれないよう、ちゃんと地に足をつけていないと、渦に飲み込まれる。
身の危険を感じて身体が強張り、それを見かねてアイツが心配そうに私の顔を覗き込む。
ギロッと睨んでいつも通り平然を装う。
ふと窓の外を見ると、白い雲と青い空が、いやらしいくらいに夏らしい爽やかさを演出していた。
夏の風は一体私をどこに連れて行くのだろう?
不安が胸をギュウッと縛り付けた。
議題:体育祭参加競技について
黒板にはそう書かれている。
私にとっての地獄の季節がやってきた。
運動音痴というほどの音痴ではないのだけれど、日常的に運動しておらず、運動部に所属した経験のない私はどうせ足手まといになるだけだ。
だから、できればこんな行事休みたい。
実際に私は中学3年生の時は休み、家で
1人黙々と受験勉強をしていた。
誰とも会わないように外には出ない。
残暑が厳しかったけど、クーラーなんて家にはないから扇風機を弱にして節電しながらやり過ごした。
体を冷やすために、安価なガリガリ君を買った時にもらった保冷剤をガーゼにくるんで脇の下に挟んだり、首に水で濡らしたタオルを巻いたりしてやり過ごした。
今思えばいい思い出だ…
1人思い出にふけっていると、着々と話し合いは進んでいて、すでに参加競技の割り当てを決めていた。
こういう時、大抵は自己主張の激しい人たちが好きな競技を先に選び、そうじゃない控えめな人たちが残ったものに強制的に配属される。
今回もそうなるんだろうなぁと思って見ているとやっぱりそうで、私は一番人数の多いドッヂボールチームに配属になった。
逃げるだけに専念しよう。
そう心の中で誓った。
「あっ、晴香ちゃんと同じだね。よろしく」
突然話し掛けられて戸惑ったが、びっくりしなくても大丈夫。
関くんだった。
「そうなんだ。よろしくね」
「私もドッヂボールだから、よろしくね~」
ウソ…―――――八千草ちゃんもか。
正直、疲れそう。
関くんを追ってばかりで周り良く見えてなさそうだもん。
そしてそして極めつけは、アイツ。
「はるちゃん、よろしくねぇ」
「はいはい、よろしく、よろしく」
たしなめていると香園寺くんが私から数メートル離れた自分の席から視線を送っててきた。
嵐の予感がした。
大嵐に巻き込まれないよう、ちゃんと地に足をつけていないと、渦に飲み込まれる。
身の危険を感じて身体が強張り、それを見かねてアイツが心配そうに私の顔を覗き込む。
ギロッと睨んでいつも通り平然を装う。
ふと窓の外を見ると、白い雲と青い空が、いやらしいくらいに夏らしい爽やかさを演出していた。
夏の風は一体私をどこに連れて行くのだろう?
不安が胸をギュウッと縛り付けた。