HARUKA~始~
「お疲れさま~」
「お疲れ~」
今日もようやく練習が終わった。
気温は午前中にして、驚異の32度。
太陽が地面を激しく照りつけ、グラウンドから熱波が見える。
カラカラになった喉を潤すため、私はグラウンドの脇の水道に向かった。
「お疲れ、晴香ちゃん」
「あっ…お疲れ」
水も滴る良い女の子…
やっぱりふわふわちゃんはかわいい。
顔の水滴と向日葵のような明るい笑顔が見事にリンクし、ドラマやCMのワンシーンを見ているかのよう。
女の私でさえも守りたくなっちゃうくらいのとびきりの笑顔にノックアウトした。
「あっ…―――――」
「どうしたの?」
「後ろ!」
―――――えっ?
振りかえると、顔面に冷たいものが直撃した。
両目を開けようとするものの、右目が開けられず左目だけで正面を見つめた。
やっぱり…
こんなことをするのはヤツしかいないと思ったが、案の定視界に入ってきたのは見慣れた顔だった。
―――――いや、正しくは首だ。
「あのねえ、今何した?」
抑えろ、晴香!!
今はダメ。
ふわふわちゃんの前だよ!
誤解されちゃうよ!
「どう?気持ちいい?」
「いいえ、ちっとも」
「じゃあ、第2攻撃開始ぃ~」
ホースが私に向けられて、私は全力でその場を離れようとする。
しかし、ふわふわちゃんが乗り気になってヤツに参戦した。
「ええいっ!!―――――きゃあっ、冷たい!」
ふわふわちゃんの笑い声は人を呼び集めてしまうらしい。
帰り支度をしていたクラスメートが続々と集まって来て、たちまち水道は人で溢れかえった。
「お、楽しそうじゃん」
「俺らもやろうぜ!!」
「あっ、あたしもー」
これを青春って言うんだな…
濡れることなんて構わずに、皆が水を掛け合い、大笑いし、楽しそう。
カシャカシャ…―――――
八千草ちゃんもこの夏のベストショットを撮り逃すまいとせわしくシャッターを切っている。
私は濡れたジャージの裾を両手で絞りながらその場を離れた。
私には青春は似合わない。
そう、分かっているから。
「お疲れ~」
今日もようやく練習が終わった。
気温は午前中にして、驚異の32度。
太陽が地面を激しく照りつけ、グラウンドから熱波が見える。
カラカラになった喉を潤すため、私はグラウンドの脇の水道に向かった。
「お疲れ、晴香ちゃん」
「あっ…お疲れ」
水も滴る良い女の子…
やっぱりふわふわちゃんはかわいい。
顔の水滴と向日葵のような明るい笑顔が見事にリンクし、ドラマやCMのワンシーンを見ているかのよう。
女の私でさえも守りたくなっちゃうくらいのとびきりの笑顔にノックアウトした。
「あっ…―――――」
「どうしたの?」
「後ろ!」
―――――えっ?
振りかえると、顔面に冷たいものが直撃した。
両目を開けようとするものの、右目が開けられず左目だけで正面を見つめた。
やっぱり…
こんなことをするのはヤツしかいないと思ったが、案の定視界に入ってきたのは見慣れた顔だった。
―――――いや、正しくは首だ。
「あのねえ、今何した?」
抑えろ、晴香!!
今はダメ。
ふわふわちゃんの前だよ!
誤解されちゃうよ!
「どう?気持ちいい?」
「いいえ、ちっとも」
「じゃあ、第2攻撃開始ぃ~」
ホースが私に向けられて、私は全力でその場を離れようとする。
しかし、ふわふわちゃんが乗り気になってヤツに参戦した。
「ええいっ!!―――――きゃあっ、冷たい!」
ふわふわちゃんの笑い声は人を呼び集めてしまうらしい。
帰り支度をしていたクラスメートが続々と集まって来て、たちまち水道は人で溢れかえった。
「お、楽しそうじゃん」
「俺らもやろうぜ!!」
「あっ、あたしもー」
これを青春って言うんだな…
濡れることなんて構わずに、皆が水を掛け合い、大笑いし、楽しそう。
カシャカシャ…―――――
八千草ちゃんもこの夏のベストショットを撮り逃すまいとせわしくシャッターを切っている。
私は濡れたジャージの裾を両手で絞りながらその場を離れた。
私には青春は似合わない。
そう、分かっているから。