HARUKA~始~
ヤツの言っていた明後日がやってきた。
しかし、ヤツは練習に来なかった。
塾があるからという理由付けで関くんのスマホに連絡があったみたいだけど、本当のところは分からない。
別に分からなくても良い。
ヤツと私はなんの関係も無いんだから。
「今日は玄希くんいないんだね。残念だなぁ…」
ふわふわちゃんが本気でそう思っているように呟いた。
厄介なことになりそう…
またも嫌な予感が私を襲う。
「今日は最高気温が35度の予想だから早めに終わろう。じゃあ、練習始めま~す!」
関くんはいつも元気いっぱいで明るくて爽やかで頼りがいがある。
それに、彼の透き通った声はこの広いグラウンドに良く通る。
やっぱり…。
「何ぼーっとしてんの?練習中によそ見は禁物だよ」
私の顔の真横に香園寺くんの顔があって、私は一歩後ずさった。
「今日はボールより関が気になるみたいだね」
「いやいや、別に…そんなつもりでは…」
彼は不適な笑みを浮かべて、私から離れて行った。
香園寺くんは、鋭いな…
彼には全部お見通しなのかもしれない。
私の心の中にあって、決して口にしていない色んな思いにきっと気づいている。
はあ…
ふと視線を上に向けると、夏には似つかわしくないどんより曇り空が広がっていた。
はあ…
ドン―――――
あっ…
「晴香ちゃん、外野に回って!!」
今日はもう終わりか…
「晴香ちゃん、ドンマイ!!」
関くん…
そんなに優しくしないで。
私…
心が…
心が…
破裂しそう…
その日、私は本当に体調を崩し、早めに家に帰ったのだった。
しかし、ヤツは練習に来なかった。
塾があるからという理由付けで関くんのスマホに連絡があったみたいだけど、本当のところは分からない。
別に分からなくても良い。
ヤツと私はなんの関係も無いんだから。
「今日は玄希くんいないんだね。残念だなぁ…」
ふわふわちゃんが本気でそう思っているように呟いた。
厄介なことになりそう…
またも嫌な予感が私を襲う。
「今日は最高気温が35度の予想だから早めに終わろう。じゃあ、練習始めま~す!」
関くんはいつも元気いっぱいで明るくて爽やかで頼りがいがある。
それに、彼の透き通った声はこの広いグラウンドに良く通る。
やっぱり…。
「何ぼーっとしてんの?練習中によそ見は禁物だよ」
私の顔の真横に香園寺くんの顔があって、私は一歩後ずさった。
「今日はボールより関が気になるみたいだね」
「いやいや、別に…そんなつもりでは…」
彼は不適な笑みを浮かべて、私から離れて行った。
香園寺くんは、鋭いな…
彼には全部お見通しなのかもしれない。
私の心の中にあって、決して口にしていない色んな思いにきっと気づいている。
はあ…
ふと視線を上に向けると、夏には似つかわしくないどんより曇り空が広がっていた。
はあ…
ドン―――――
あっ…
「晴香ちゃん、外野に回って!!」
今日はもう終わりか…
「晴香ちゃん、ドンマイ!!」
関くん…
そんなに優しくしないで。
私…
心が…
心が…
破裂しそう…
その日、私は本当に体調を崩し、早めに家に帰ったのだった。