HARUKA~始~
桜の木々はすっかり葉を落とし、冬の寒さにじっと耐えていた。


朝、無理やり胃に流し込んだコーンスープが口から出てきそうなほどに胃がキリキリと痛む。

マスターからもらったパンの耳は冷蔵庫に入りきらないほどの量が貯まり、ラスクが入ったタッパーがテーブルの半分を占拠している状況。

去年より今年は暖かいとテレビで言われているのに、私だけが12月上旬の段階で、マフラーにコート、マスクまで装着して防寒対策をしていた。



「おはよう、晴香ちゃん」

「おはようございます」

「どうした?風邪でも引いた?」

「いいえ、ここのところ急に寒くなったなぁと思って…」

「そう?今日は10度になるって言ってたけど」


香園寺くんが納得のいかないようで小首をかしげる。


私は彼に気付かれないよう厳重注意しなければと心を引き締めた。

もうこれ以上心配はかけたくない。



だって彼は…


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