HARUKA~始~
「晴香ちゃんさあ、今度のクリスマスライブ来てくれるよね?」
「もちろんです。楽しみにしてます」
「じゃあ、今日は練習長引くからここで」
「練習頑張って下さい」
「晴香ちゃんのためなら頑張っちゃうよ~。じゃ、気をつけて。また明日!」
私は背を向けた香園寺くんに手を振り、図書室に向かった。
そのまま帰っても良かったんだけど、今日はバイトも無く、(というより平日のバイトは香園寺くんにバレるのを懸念して今は休止中)なんか本でも読もうかなぁと思っていつも通り行った。
今日もいつもいる先輩がいつもの席でいつも通り数学をやっている。
受験が迫ってきた今、クリスマスなどと言っている暇も無く、一心不乱にペンを動かしていた。
私はそんな彼女から遠く離れた窓際の席を確保し、本を探しに行った。
けれど、最近本を読んでいなかった私は何を読んだら良いかわからず、結局何も持たずに席に戻って来た。
それからは、よほど脳裏にこびりついたのだろう。無意識に数学のワークを取り出し、夢中で進めた。
5ページほど確率の問題と格闘したところで訳が分からなくなり、眠気が襲ってきてペンが手からスルリと落ちる。
カチカチカチカチ…
時計の音が心地良い。
コクリ、コクリと首の上下運動をしているうちに私は夢の中へ誘われていった。
「もちろんです。楽しみにしてます」
「じゃあ、今日は練習長引くからここで」
「練習頑張って下さい」
「晴香ちゃんのためなら頑張っちゃうよ~。じゃ、気をつけて。また明日!」
私は背を向けた香園寺くんに手を振り、図書室に向かった。
そのまま帰っても良かったんだけど、今日はバイトも無く、(というより平日のバイトは香園寺くんにバレるのを懸念して今は休止中)なんか本でも読もうかなぁと思っていつも通り行った。
今日もいつもいる先輩がいつもの席でいつも通り数学をやっている。
受験が迫ってきた今、クリスマスなどと言っている暇も無く、一心不乱にペンを動かしていた。
私はそんな彼女から遠く離れた窓際の席を確保し、本を探しに行った。
けれど、最近本を読んでいなかった私は何を読んだら良いかわからず、結局何も持たずに席に戻って来た。
それからは、よほど脳裏にこびりついたのだろう。無意識に数学のワークを取り出し、夢中で進めた。
5ページほど確率の問題と格闘したところで訳が分からなくなり、眠気が襲ってきてペンが手からスルリと落ちる。
カチカチカチカチ…
時計の音が心地良い。
コクリ、コクリと首の上下運動をしているうちに私は夢の中へ誘われていった。