HARUKA~始~
エピローグ
過去、現在、未来…



時間は一定の方向にしか流れていなくて、本当は過去も未来も無い。

確かにあるのは“今"だけ。

なのに人は過去を追憶し、未来を想像する。

“今”どうしなきゃならないかじゃなくて、過去にどうだったか、明日どうしようかを考えて“今"と向き合うのを避けているのかもしれない。

今の自分は過去を積み重ねて形成された自分だし、時には振り返って失敗を防ごうとするのも仕方無い。
未来に思いを馳せて目標や夢を持ち、それに向けて今努力するのも有りだと思う。
決して悪いことじゃない。

でも、人がどれだけ“今”に対して盲目かは言わずと知れている。



タイムスリップして未来に行ったり過去に行ったりすることができる物語を読んだことがある。

実際にはそんなこと起こり得ない。

やっぱりあるのは“今”。
生きているのは“今”だけだ。




私には戻りたい日がある。

タイムスリップしてやり直したいと思う。

でも、戻ることは出来ない。

できることは、





“今”を精一杯生きること。





そして、



進むこと。




これしかないのだ。







振り返りたい。

いや、振り返るな。



振り返っても何も変わらないから。

立ち止まったら変われないから。



変化を恐れちゃいけない。

生きていれば移ろい行くのは当然。

変化を受け入れるんだ。



落としてきた涙は拾えない。

つけてきた足跡は消えない。


進むだけ。

信じて進むだけ。

真っ暗な洞窟の先に光があると信じて…






頭ではそうわかっているのに、出来ない。

進んでも立ち止まったり、戻ったりしてしまう。


今を生きるってどういうことなのだろう?


ある人に出された課題が私にはまだ解けない。

おそらくその答えは一生考えても出ない。

人間は生涯この難題を抱えて生きていく。






やり直せない“今”、呼吸している。
< 75 / 84 >

この作品をシェア

pagetop