HARUKA~始~
「えー、本日は無事、今年度の終業式を迎えられることを大変嬉しく思います。明日から春休みですが、皆さんはどう過ごしますか。勉強や部活、それに…」


あっという間に終業式を迎えた。


クリスマスが終わり、新年を迎え、センター試験に望む先輩方の出陣式をやり、私には虚しすぎたバレンタインを過ぎ、学年末試験を無事に終え、今に至る。

視線をチラリと体育館の外に向けると、肌を包み込むような暖かい風が吹いてきた。


春が近づいて来た。

待ちに待った春だ。


大切な人と私が初めて顔を見合わせた春。

大切な人が私を初めて抱き締めてくれた春…


今年もまた私は大切な人の一部があるところには行けない。


―――――いや、


行かないんだ。





私には受け入れられない。



だからずっと探している。

ずっとずっと待っている。


大切な人が私の腕を優しく引いてくれること。

私に優しく笑いかけてくれること。

「晴香」って呼んでくれること。



でも…




もう、ここには…
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