イケメン双子と、もちろん『腐』の付く愛され女子と。
違いを端的に説明するとこうである。凛は常に胡散臭いアルカイック・スマイルを浮かべ、片や漸はというと常に硬派崩れの鉄面皮なのだ。
顔は心を移す鏡と言うが、同じ顔して中身の違う双子はすべからく、セット価格で女子たちの心を総なめにしている次第であった。だがしかし、凛の腹は黒ずんでいた。
「ふたりとも、傘で遊んでいると危ないよ。それにわたしも傘は持ってきてるし、自分でさすよ?」
ここに来て、双子の意中の君である碧羽が言葉をひき継いだ。だがそれも、彼女特有の斜め上をゆく男泣かせ思考で以って、すべからく的外れな見解へと導くのであった。
ふたりの男は彼女と同じ傘で肩を寄せるため、斯くも下らない小競り合いを披露している。そんな男心なぞ見事にスルーを決める、碧羽の座右の銘はこれ即ち『BLは美徳なり』であった。
彼らの独占欲と男の矜持を懸けた、まさにどうでもよい仁義なき戦い。それを碧羽は腐女子が具える七つ道具機能である『美化腐ィルター』で以って、すべからく美男子たちの戯れと置き換えた。
「ねえ碧羽、今ひどく汚らわしい妄想なんて、して……るよね。僕ひどく背筋に悪寒が走るんだけど」
まさしく大当たりであった。
顔は心を移す鏡と言うが、同じ顔して中身の違う双子はすべからく、セット価格で女子たちの心を総なめにしている次第であった。だがしかし、凛の腹は黒ずんでいた。
「ふたりとも、傘で遊んでいると危ないよ。それにわたしも傘は持ってきてるし、自分でさすよ?」
ここに来て、双子の意中の君である碧羽が言葉をひき継いだ。だがそれも、彼女特有の斜め上をゆく男泣かせ思考で以って、すべからく的外れな見解へと導くのであった。
ふたりの男は彼女と同じ傘で肩を寄せるため、斯くも下らない小競り合いを披露している。そんな男心なぞ見事にスルーを決める、碧羽の座右の銘はこれ即ち『BLは美徳なり』であった。
彼らの独占欲と男の矜持を懸けた、まさにどうでもよい仁義なき戦い。それを碧羽は腐女子が具える七つ道具機能である『美化腐ィルター』で以って、すべからく美男子たちの戯れと置き換えた。
「ねえ碧羽、今ひどく汚らわしい妄想なんて、して……るよね。僕ひどく背筋に悪寒が走るんだけど」
まさしく大当たりであった。