届け!私の想い。
「何を聞いたんですか?」

「内緒よ。2人の秘密。」

「仲良かったんですね、先生と。」

「そうよ。家が近くでね。

あ、でもそういう変な関係じゃないよ。」

そうなんだ。なんか安心した。


辺りが暗くなってきた。

人は夜になると感傷的になりやすい。

先生も私に心を開いて、話してくれるかな。

「私は、先生、中田先生が好き、でした。」

聞いてほしいだけかも知れない。

こんなこと言ってもいいのかな?

わからないけど聞いてほしい。私の想いを。

「でも、先生はいなくなった。」

少し間を開けて先生が話し始める。

「そうだね。悲しかった?」

「当たり前じゃないですか。」

どうしてそんな事を聞くのか。

少し腹が立つ。

先生に起こっても仕方ないのに。

「でもね、あなた以上に中田先生は、

悲しがっていたのよ。」

うそだ。なんで?

先生は自分からいなくなったんでしょ?
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