君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
「それと。レイ君に夜遊びは控えるよう伝えてもらえますか? しばらくは安静にと」
「え!?」
顔が紅潮する。

「あまりに目立つ行動は教王の品位と威厳にかかわります。日替わりディナーもほどほどに」
決め台詞のような、捨て台詞のようなものを残して、バルトは満足そうに帰って行く。

一人残されたフィーに気を遣い、ドア前の番兵が扉を開けた。今度こそ部屋に戻ると思ったらしい。
背中を押されるように、フィーは中へ入った。

「ただいま戻りました」
「遅かったね」
レイは白いガウンを着て、ベッドに腰をかけていた。
顔を洗い、髪を整えたらしく、先ほどより生気があり
眼光にも力がある。
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