君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
いつの間にか、音もなくレイが近づいて来ていて、
「ここらへんから、甘くていい匂いが出るんだ」
耳の後ろからうなじの辺りを指でなぞった。
「すごく強い香りなんだ。もし、フィーからその匂いがしたら……絶対に逃さないよ」
「なっ……」
その距離の近さと発言に、思わず後ずさる。
レイは無言でこちらを見ていた。
まるで何かを見定めるように。
唇がうずく。
「……ご冗談ですよね?」
「本気だよ」
刃物のような鋭い眼光を見せたかと思うと、屈託なく笑う。
その表情が無邪気であればあるほど、フィーはうまく笑えなくなりそうだった。
「ここらへんから、甘くていい匂いが出るんだ」
耳の後ろからうなじの辺りを指でなぞった。
「すごく強い香りなんだ。もし、フィーからその匂いがしたら……絶対に逃さないよ」
「なっ……」
その距離の近さと発言に、思わず後ずさる。
レイは無言でこちらを見ていた。
まるで何かを見定めるように。
唇がうずく。
「……ご冗談ですよね?」
「本気だよ」
刃物のような鋭い眼光を見せたかと思うと、屈託なく笑う。
その表情が無邪気であればあるほど、フィーはうまく笑えなくなりそうだった。