君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
3 再会
翌朝。
フィーはカドラスの執務室にいた。
昨夜の出来事を話さなければならないと思った。
まともに受けあってくれないかもしれない。
逆に、精神状態を疑われるかもしれない。
それでも、確固たる確信がフィーを駆り立てていた。
「知っている」
拍子抜けするほど、カドラスは冷静だった。
「一体、どういうことなんでしょうか?」
フィーの方が動揺してしまう。
「元々は普通の犬だったのだ。それが、前教王の指名を受け、次期教王になられることになった」
「犬が教王!?」
「天啓を受けたレイ様は、それから人の姿に変わるようになってな。まぁ、そうでもしていただかないとかえって困るがね。『ワンワン』とお告げを伝えられても、何を言っているかわからんし」
悪意が込められてる言い方だった。
カドラスのレイに対する気持ちが透けて見える。
「この件は私を含めごく数人の大司教しか知らない。絶対に他の者にばれないように! 大混乱が起こるのは避けなければならない」
犬がこの国の運命を左右するとなると、誰でも心許なくて不安になる。
カドラスの言うことは至極当然だった。
フィーはカドラスの執務室にいた。
昨夜の出来事を話さなければならないと思った。
まともに受けあってくれないかもしれない。
逆に、精神状態を疑われるかもしれない。
それでも、確固たる確信がフィーを駆り立てていた。
「知っている」
拍子抜けするほど、カドラスは冷静だった。
「一体、どういうことなんでしょうか?」
フィーの方が動揺してしまう。
「元々は普通の犬だったのだ。それが、前教王の指名を受け、次期教王になられることになった」
「犬が教王!?」
「天啓を受けたレイ様は、それから人の姿に変わるようになってな。まぁ、そうでもしていただかないとかえって困るがね。『ワンワン』とお告げを伝えられても、何を言っているかわからんし」
悪意が込められてる言い方だった。
カドラスのレイに対する気持ちが透けて見える。
「この件は私を含めごく数人の大司教しか知らない。絶対に他の者にばれないように! 大混乱が起こるのは避けなければならない」
犬がこの国の運命を左右するとなると、誰でも心許なくて不安になる。
カドラスの言うことは至極当然だった。