君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
「何をしている」

低い威圧感に満ちた声がした。

「カドラス様……」
すがるような気持ちで彼を見た。
この二人を止められるのは彼しかいなかった。

いつの間にか武器庫から出てきたのだろう。憮然とした表情で立っていた。

カドラスはフィーに一瞥もくれず、交戦間際の二人を凝視している。

「君は今すぐ自分の仕事に戻りたまえ」
アルベールに指示し、続けてレイとフィーを見た。

「二人は私の部屋へ」

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