君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
「なぜレイ様を外へお連れした?」
カドラスの執務室でまず発せられた詰問。
声を荒げはしないが、かなり怒っているようだった。
「申し訳ご……」
「おれが約束を破って勝手に出た。フィーは悪くない」
レイがかばうように会話に割って入った。
「いつまでおれを閉じ込めておくつもりだ?」
「……あなた様の状態が安定するまで、もう少し様子を見た方がよろしいかと」
「……あっちにはなんと言ってごまかしてる? この機に乗じて主導権を握るつもりか? 欲が過ぎるな」
この一言にカドラスが気色ばんだ。
レイが核心を突いたらしい。
「おれはアデラのようにはいかないぞ」
アデラ。
確か前教王の名だ。
カドラスの執務室でまず発せられた詰問。
声を荒げはしないが、かなり怒っているようだった。
「申し訳ご……」
「おれが約束を破って勝手に出た。フィーは悪くない」
レイがかばうように会話に割って入った。
「いつまでおれを閉じ込めておくつもりだ?」
「……あなた様の状態が安定するまで、もう少し様子を見た方がよろしいかと」
「……あっちにはなんと言ってごまかしてる? この機に乗じて主導権を握るつもりか? 欲が過ぎるな」
この一言にカドラスが気色ばんだ。
レイが核心を突いたらしい。
「おれはアデラのようにはいかないぞ」
アデラ。
確か前教王の名だ。