君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
シーツと体が擦れる音。
時折漏れる女性の吐息。

ここで何をしているのだろう。
こんな現場の盗み聞きをするなんて。
今すぐここから出て行きたかった。


「んっ……あ……。……ダメ」
女性が小さく叫んだ。女性の方が達したらしかった。

「……やめないで」
女性が続きをせがむ。

「初めてなのにお上手ね」
「じゃあ、続きは向こうの部屋で。あっちの方……」
レイの言葉は女性の唇にはばまれたようだった。

また、女性の荒い息遣いが聞こえてくる。
「あ……んんっ……。レイ。名を……呼んで」
「……エリーサ」
「もっと……あ……ん」
二人の興奮がからみ合って、さらに声が大きくなる。

「激し……く、して! ん……あぁ……」
「エリーサ!」

< 49 / 122 >

この作品をシェア

pagetop