君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
「色々と聞きたい事があるだろ? 何でも答えるよ。例えば、最初の質問の答えは、『3回』」
「……まだ、何もお尋ねしていませんが」
「『あれから何回、交尾したのか?』って疑問の答え」
「こっ……交……」
もっと遠回しな言い方はできないのだろうか。

「次の質問の答えは、『後背位』」
「ですから、まだ何も……」
「『得意な体位は?』に対する答え。そりゃ、犬は後ろからしかできないんだからさ。当然だろ?」
……絶対に遊ばれている。

「最後の答えは、『牽制』」
下ネタが続くと思っていたのに、意表を突くきな臭い言葉だった。

「王女が来た理由。なんだと思う?」
「えっ? えーっと、レイ様にお祝いを言いにですか?」
「それならまず、こちらから次期教王としてご挨拶に伺うのが筋だろ? 王女がわざわざ出向いて来たのは、偵察のためだよ」
「偵察?」
国王と教王は友好な関係ではないのだろうか?
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