恋がしたい
イベントでの出逢い
そう決意したものの、仕事は車通勤で出会いもないしで、毎日変わらない日を過ごしていた。
最近では少しずつイベントでも売れ始めるようになってきた。
スマホのハンドメイドサイトでも販売してはいたが、たまに注文が入るくらいだった。
段々ハンドメイドの人気が高まってきていて、テレビでも取り上げられるようになっていた。
売れっ子の人が一日にどれぐらい稼ぐとかやってたけど本当に一握りだと思う。
売れない期間が長かったためそろそろ諦めようかとも思っていたがやめられなかった。
9月にハンドメイドのイベントがあり何時もなら友達がついてきてくれるが会場が小さかったので、一人で売っていた。
こういうイベントは女の人が多くて、男の人はあんまりいない。
いるとしたら夫婦で来ていたり、カップルだったりが多かった。
2時過ぎになりそろそろ片付けようかなと思っていると、一人の男の人が来た。
年は私よりは3、4歳は上に見えた。175㎝位で髪は短めの短髪だった。
このイベントでこんな若い人は珍しいなとよく見ると、優しそうな雰囲気の人だった。
その人はツキノワグマの羊毛ストラップを買ってくれた。
その時はそこまで気にならなかった。彼女にあげるのかなぁくらいに思っていた。
でも、その後も2、3回その人はストラップを買っていってくれた。
もしかしたら実際はもっと多いかもしれない。私が気がついてからの数だから。
毎回優しく微笑んで買ってくれるのだ、「これ下さい」と言う声も落ち着いた心地よいいい声だった。
人見知りな私は最低限の会話で精一杯だった。接客も苦手でお客様に積極的に声は掛けられず、「これ下さい」と言われるまで待っていたぐらいだ。
とてもじゃないが、世間話が出来るようなスキルはなかった。
この時も彼女さんは幸せだろうなぁと思っていた。
それが変化したのは5回目のイベントだった。
その時も友達が来れなくて一人で対応していた。
2時頃の人が少なくなった頃に彼はやってきた。
今回は猫を買ってくれた。いつもどおりありがとございましたと品物を渡そうとすると、
彼から声をかけてくれた。
「Twitter見てます。頑張って下さい」
まさか声をかけてもらえるとは思ってなくて一瞬止まってしまったがなんとか答える
「ありがとうございます」
「葉月さんお一人で作っているんですよね。凄いですね」
葉月はハンドメイドで活動する用のペンネームだった。
買ってくれる時に名刺を渡すからそれで見てくれたんだ。
「ありがとうございます。お兄さんこそ何回も来て買ってくださってますよね。いつもありがとうございます。」
そういうとお兄さんは嬉しそうに言った。
「俺の事覚えていてくれたんですか」
「覚えてますよ。彼女さんにあげるのかなと思ってたんです」
そう言うとお兄さんは少し焦ったように訂正してきた。
「違いますよ。彼女はいません!自分用ですよ。」
「そうなんですか、すいません」
なんか焦ってるのか可愛いと思ってしまった。
その時はそれで帰っていった。
姿が見えなくなると足の力が抜けて座り込んでしまった。
すごい心臓がバクバクしていた。まともに男性と話したことない私からしたら凄いことだった。
、
最近では少しずつイベントでも売れ始めるようになってきた。
スマホのハンドメイドサイトでも販売してはいたが、たまに注文が入るくらいだった。
段々ハンドメイドの人気が高まってきていて、テレビでも取り上げられるようになっていた。
売れっ子の人が一日にどれぐらい稼ぐとかやってたけど本当に一握りだと思う。
売れない期間が長かったためそろそろ諦めようかとも思っていたがやめられなかった。
9月にハンドメイドのイベントがあり何時もなら友達がついてきてくれるが会場が小さかったので、一人で売っていた。
こういうイベントは女の人が多くて、男の人はあんまりいない。
いるとしたら夫婦で来ていたり、カップルだったりが多かった。
2時過ぎになりそろそろ片付けようかなと思っていると、一人の男の人が来た。
年は私よりは3、4歳は上に見えた。175㎝位で髪は短めの短髪だった。
このイベントでこんな若い人は珍しいなとよく見ると、優しそうな雰囲気の人だった。
その人はツキノワグマの羊毛ストラップを買ってくれた。
その時はそこまで気にならなかった。彼女にあげるのかなぁくらいに思っていた。
でも、その後も2、3回その人はストラップを買っていってくれた。
もしかしたら実際はもっと多いかもしれない。私が気がついてからの数だから。
毎回優しく微笑んで買ってくれるのだ、「これ下さい」と言う声も落ち着いた心地よいいい声だった。
人見知りな私は最低限の会話で精一杯だった。接客も苦手でお客様に積極的に声は掛けられず、「これ下さい」と言われるまで待っていたぐらいだ。
とてもじゃないが、世間話が出来るようなスキルはなかった。
この時も彼女さんは幸せだろうなぁと思っていた。
それが変化したのは5回目のイベントだった。
その時も友達が来れなくて一人で対応していた。
2時頃の人が少なくなった頃に彼はやってきた。
今回は猫を買ってくれた。いつもどおりありがとございましたと品物を渡そうとすると、
彼から声をかけてくれた。
「Twitter見てます。頑張って下さい」
まさか声をかけてもらえるとは思ってなくて一瞬止まってしまったがなんとか答える
「ありがとうございます」
「葉月さんお一人で作っているんですよね。凄いですね」
葉月はハンドメイドで活動する用のペンネームだった。
買ってくれる時に名刺を渡すからそれで見てくれたんだ。
「ありがとうございます。お兄さんこそ何回も来て買ってくださってますよね。いつもありがとうございます。」
そういうとお兄さんは嬉しそうに言った。
「俺の事覚えていてくれたんですか」
「覚えてますよ。彼女さんにあげるのかなと思ってたんです」
そう言うとお兄さんは少し焦ったように訂正してきた。
「違いますよ。彼女はいません!自分用ですよ。」
「そうなんですか、すいません」
なんか焦ってるのか可愛いと思ってしまった。
その時はそれで帰っていった。
姿が見えなくなると足の力が抜けて座り込んでしまった。
すごい心臓がバクバクしていた。まともに男性と話したことない私からしたら凄いことだった。
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