恋がしたい
少しずつ少しずつ
初めてのドキドキから少し日にちがたち、いつもの日常が戻ってきた。


私の性格上、そういうことを話すのか恥ずかしくて親には何も言ってない。


でも仲のいい友達には話した。


よく遊ぶのは山本さとみだった。
高校からの付き合いで、クラスのムードメーカーで、明るい性格の彼女とはアニメで意気投合して卒業した後も声優のライブやイベントに行ったりしている。 

今は埼玉に住んでるので頻繁には遊べないが何でも話せる仲だった。

さとみには今回の事は話した。こんな人がいたんだよって。

私が男の人の話をするのでとても驚いていた。




もう一人仲がいいのがいとこの鳥井ともこ。

家が近く、学校も一緒で親同士も仲が良く名前で呼び会えるほど仲が良かった。



高校も科は違うが一緒で、卒業してからは私と、さとみ、ともこの3人でイベントに行くことが多かった。
最近の話題はともこの恋ばなだった。



前に派遣の仕事をしていた所で知り合った人で、ともこがアタックしていたが付き合うまでにはいかなかった。

その仕事をやめて1年たってからメールが来たらしい。

最初は返信してなかったが、何回もくるのでこの間返事をしたらしい。

「返事をくれるとは思わなかった」と返ってきたらしい
今度食事に行くことになったと嬉しそうに話していた。

車に乗せてもらった時に、何時もはアニソンばかり流してるのにこの間乗ったら、ラブソングばかりだった。



なんだか少しずつ少しずつ変化を感じていた。








イベントが終わると次のイベントまでは2、3ヶ月空く。その間に売れてしまったものを作ったりしていた。


一つストラップが出来るとSNSに写真をアップしていた。

言葉だけだとなに書けばいいのか分からなくて。

なにか完成するとこんなの出来ましたよ!と書いていた。


フォロワーさんも段々増えてきて友達の少ない私にしてみれば凄い事だった。




イベントの5日前に宅急便で荷物を会場に送ってしまう。
当日は身一つで行けるので毎回送っていた。


会場に着くと自分の場所が決められており、テーブルと椅子が用意されており自分の好きな生地の布をひいてその上に飾る棚で商品を飾り付ける


見やすいように飾り方を考えるのも大変だった。


大体10時~15時までくらいに終わる


10月のイベントに出展した。

また小さめの会場で一人だった。

私のお客さんは女性が9割なので本当に男の人は少ない。

この日は海の生物がよく売れ、ジンベイザメやイルカやシャチなど可愛いっと言っては買ってくれた。

お昼過ぎて人が一段落した時に彼はやってきた。


この日はシャチを買ってくれた。
「いつもありがとうございます」感謝を込めて笑顔で商品を渡した。


「お一人で大変ですね。これよかったら食べて下さい」
渡された袋にはおにぎりとお茶、お菓子が入っていた。



「えっ!!こんなに、いいんですか?」

「はい、少しですけどよかったら」

「ありがとうございます。差し入れ頂いたの初めてで。本当に助かります」

何かお礼がしたくて商品の中から猫のブローチを渡した


「これよかったら使ってください。」


「わぁ!可愛いですね。ありがとうございます。」
じゃあと言って帰ろうとする彼を呼び止める




「あっあの、お名前聞いてもいいですか?」
私が恐る恐るという感じで聞くと、彼は少し目を見張ったあと優しく笑って教えてくれた。


「飯島たかひろです。これからも頑張って下さい」

それだけ言うと帰ってしまった。




名前聞けた!!まさか差し入れ貰えるなんて思わなかった。

お客さんが来ないときに少しずつ頂いた

イベントが終わるとSNSに今日来て買ってくれたお客さんにお礼のメッセージを載せる。

そこで差し入れのお礼も書いた。



次のイベントでも会えるといいな。




年2回開催され、来場者が一番多いイベントが12月にある、それまでにまた作らなくちゃ!!!

.
< 3 / 11 >

この作品をシェア

pagetop